世界は狭い!と思った話
最近はネットを使えば、大体の事が出来てしまって便利だ。ホテルの予約も例外じゃない。
「Hotels.com」や「Booking.com」などのサイトを見れば、ホテルの価格・評価・空き情報、果てには、今、世界中で何人がそのホテルに興味を示しているか、まで分かってしまう。
便利!と思うと同時に、世界は狭い!と感じる。
さて、大学2年生の春休み、高校の男友達4人で愛媛の道後温泉に旅行することになったんだ。
4人のうち3人は名古屋住みで、1人は東京に進学していた。なので、その3人で日曜の昼に、ネットカフェに集まって、わいわい旅行プランを練ることになった。旅行は計画してる段階から楽しい。
問題は宿泊先だった。みんな、あまりお金がかけられなかったから、予算は1人1泊5000円以内で探していた。
食事はつかなくてOK。場所が、道後温泉がある松山市内なら、それでよかった。
松山市内には50件ほど宿泊施設があるんだけど、それでも、5000円以内で検索かけたら数件しかヒットしない。
そりゃそうだ。ゲストハウス でさえ7200円するんだから。
そんな中、「おっ!」っと思ったのが、
ホテルファイン○○○ (¥4.950) 評価 とても良い (8.4/10)
咄嗟に、「これイイじゃん!」と叫んだ。
が、友達は、俺のPCを覗き込んで『予想外な事』を言った。
「いや、ウソだろ!?お前そっち系だったの?w」
「…え!?」
よくよく見たら、ホテル名の後に、 (大人専用) とあった。
あの一声でどれだけ弄られたことか。
その後も、3人、それぞれPCを駆使して探しても、「コレだ!」という宿が見つからず、次第に諦めムードが漂い始めていた。
その時、1人が呟いた。「これ良くない?」
その宿はこんな内容だった。
ターミナル○○○松山 (¥7.400⇒¥3.700) 評価 とても良い (8.4/10)
ダブルルーム / 駅前 / 前払いキャンセル不可 「残りあと3部屋」
これ見てみんなで大盛り上がり!
「神!」
「この物件良すぎるだろ!」
「K(東京住み)にもLINEですぐ確認しよう!」
内装写真も綺麗だったし、俺には、救いの女神のように思えた。
きっと残りの部屋を埋めるために安くしたんだろう。
そうこうしている内に、パッとメッセージが表示された。
「今予約がありました!」「残りあと2部屋!」「4名が閲覧中です」
みんなハイテンションから一気にパニックに変わった。
「ヤバいよあと2部屋しかない」
「盗られちゃう!」
「4人のうち1人でも予約したら俺らはアウトだ」
「Kから返事来てないけど押さえよう!キャンセル出来なくてもいいって!」
2人が半ば暴走してる中、1人が冷静になって言った。
「ちょっと待って。この4人が閲覧中ですって俺ら3人とKじゃね…?」
世界狭っっ!