自習室で横に座ってた女子中学生の話
金曜の夕方、返却期限間近の本を読むため、図書館の自習室に向かった。
この空間は、「根は真面目だけど遊びの誘惑に弱い人間」にはうってつけの場所だ。
本を読んでいると、制服を着た女の子が俺の右横の席に座ってきた。
ポニーテールで、黒縁眼鏡を掛けた、真面目そうな女子中学生だった。
その子はイヤホンを耳につけ、机の左側に日本史の教科書を開き、
右側にノートを開いた。
「真面目だなぁ」感心した。
その直後、カバンから『NARUTO』の単行本を取り出して、教科書の奥にセットした。
漫画が閉じないように左手で器用に押さえながら。
(…いやいやいや、自習室まで来て、漫画かい!てか、音楽聴きながら、漫画読んで、教科書も読んで、そんでもってノートに書き込むって、君どんだけマルチタスクなの?聖徳太子ですか?)
が、まぁ当然のことながら、右手はたまにノートに書き込むぐらいで、左手は教科書のページはめくらず、NARUTOのページばかり、次々とめくっていた。
(こうやって見てると、ノートにNARUTOのセリフ書き写しているようにしか見えん…。漫画家志望なのかな?それテストに出ないから!!)